機動戦士ガンダム002ndシーズン第20話 『アニュー・リターン』
ども、YSJッス…。
今週は、もう悲しみに満ち溢れております。
原因はそう、機動戦士ガンダム00セカンドシーズン第20話、『アニュー・リターン』。
細かい説明は割愛します。
そんな気分じゃないので。
アニューは、イノベイターでした。
それは、初登場時から、おそらくほとんどの視聴者が気付いていた事でしょう。
彼女の名前から容易に察知できます。
で、劇中幾度もトレミー2の位置が敵に察知されます。
理由はもちろん、アニューの存在。
イノベイターって奴は、脳量子波で互いの思考をリンクさせる事が出来るそうで、それによって正確な位置を知る事が出来るそうです。
しかし、これまでの描写では、アニュー自身に思考を繋げられた自覚は無いようです。
これは…いったい…?
考えられるのは、彼女自身イノベイターであることを知らずに、自由意志でCBに参加していた。
ティエリアなんか多分そんな感じなんでしょう。
そしてもうひとつの可能性。
それは、一時的に記憶や人格を封印させられていたというもの。
おそらく、アニューは後者で、リヴァイヴの脳量子波による何らかの刺激で本来の目的を思い出したのではないでしょうか。
でも、今までの記憶や感情もそのまま残っているわけで。
その辺が、切ない部分なんですよ。
愛した男ライルとその仲間達を裏切り、本来の目的を遂行しようとする。
しかし、やはりライルが気がかりで、作戦は失敗。
ダブルオー奪取は叶わず、リヴァイヴはオーライザー、アニューは小型艇でトレミー2を脱出します。
オーライザー奪還のため、ダブルオーとケルディムが出撃。
オーライザーの速度に追いつくため、ケルディムがトランザムします。
で、追いついた後、何だかんだでオーライザーは奪還されますが、リヴァイヴはアニューの小型艇で宙域を離脱しようとします。
狙いをつけるケルディム。
その時、アニューの幻影がライルを苦しめます。
「私を撃つの…?ライル…」
撃てません。
撃てっこないです、ライル・ディランディ。
俺自身、「撃つなよ!撃つなよ!」と願ってました。
ちなみにファーストシーズンで、ティエリアが刹那だったかアレルヤだったかを撃とうとするシーンがありましたが、そこでは「撃っちまえよ、○○ヤロウ!」とか考えていたのは内緒です。
でも、撃たないで、飛んでって小型艇捕まえちまえば良かったんでないかい?
それとも、さっきのトランザムでもうエネルギー残ってなかったんかい?
いずれにせよ、ここが運命の分岐点。
でもって番組後半。
ダブルオーを奪取するため、リヴァイヴ、ヒリング、ルイス、そしてアニューがトレミー2を急襲。
アニューのMS、ガッデスって言うんですよ。
アニュー役の白石涼子さんのブログに書いてありました。
彼女のブログも必見。
グッと来ます。
迎撃に出る各ガンダム。
ダブルオーだけは、オーライザーのシステム調整のため出撃できません。
そして、アニューはライルと交戦状態に入ります。
ケルディムのシールドビット、そしてガッデスのファングが激しくぶつかり合い、両者とも疲弊していきます。
「俺たちは愛し合っていたはずだ!」
「偽りの世界でね!」
ライルの問いかけに、強がりで返すアニュー。
本当は愛しているのに、イノベイターとしての使命から、そうする事が出来ずにいる。
そしてその彼女の気持ちを理解しているからこそ、ライルも彼女に叫び続ける。
ついにケルディムはトランザムを発動し、ガッデスを圧倒。
コクピットの装甲を引っぺがし、ライルは叫びます。
「なら、もう一度お前を俺の女にする!嫌とは言わせねぇ!!」
強引です。
半ばGOHKANチックです。
でも、その叫びについに、アニューの心が折れます。
「戻って来い、アニュー」
ライルの呼びかけに、アニューは身を任せようとします。
しかし…
ここだよ。
このシーンだよ。
絶対このあと不幸な結末になる、とわかっていた。
それが、終わりのあるアニメーション作品の脚本なのだから。
全ての事象は、作品内において必然である。
当然、この後の出来事も、あらかじめ決められていた悲劇。
でも、祈った。
「やめてくれ」と。
しかし、アニューは…死んだ。
美しいシーンだった。
常套手段ともいえる、お決まりのシーンだった。
でも、美しかった。
リボンズの脳量子波に意識を支配され、躊躇なくケルディムを撃とうとするガッデス。
ライルの必死の叫びも、彼女には届かない。
そして必殺の一撃がライルの命を奪おうとした時、それを阻んだのは刹那。
ダブルオーライザーから放たれた粒子の光が、ガッデスを、アニューを貫いた。
そのまま戦場を駆け抜けたダブルオーライザーのGN粒子が、悲しくも美しい奇跡を生む。
死の間際、ライルと心を通わせるアニュー。
「私、イノベイターで良かった。そうでなかったら、あなたと出会う事もなく、どこかですれ違っているだけだった」
「いいじゃねぇか、生きていられるんなら」
両親をテロで失い、兄を戦いで失ったライルにとって、生きていてくれる事が何より大切な事だった。
だけど、アニューは違った。
「あなたがいないと、生きている張りがないわ」
彼女は、イノベイターとして使命に生きる事よりも、愛のために生きる事を選んだ。
「私達…理解りあえていたよね…?」
「…ああ、もちろんだとも」
彼女の最後の問いかけにハッとして答えるライル。
イノベイターと人間ではなく、人と人として。
確かに、ふたりはひとつだった。
いままでも、この瞬間も。
「…良かった」
そう、微笑んで、アニューは、くず折れる。
そして、彼女は弱々しく彼の機体を突き放し、独りで逝った。
「アニュー・リターナー!!!!」
ライルの絶叫は、もう届かない。
バックに流れるEDテーマ『trust you』が、ふたりのための曲のように聞こえて、心に沁みた。
ED曲の後。
ライルの叫びがトレミー2の中に響き渡る。
「貴様が!貴様がアニューを!!!」
ライルの拳が刹那を打つ。
刹那はただ黙って、その想いを受け止める。
刹那は言った。
「もしもの時は、俺がやる」
その覚悟に偽りはなかった。
ライルを、仲間を救うため、敵を討った。
刹那は、ただ、自分のやるべき事をやった。
泣き崩れるライル。
その背中を優しく叩く刹那。
刹那の耳に、やさしい歌声が響いた。
何故か知らないけど、本当にこの回は何度見ても美しく切ない。
全ての元凶はリボンズ。
愛するライルの元に戻ろうとしたアニューを、無理やり支配し、そして、使い捨てにした。
ライルも、もちろん刹那も、その事は知らない。
視聴者にはわかるが、登場人物たちにはわからないその事実が、僕らを苦しめる。
しばらくは、この呪縛からは逃れられそうにない。
でも、もしも。
ライルとアニューが、またひとつになる事が出来た、そんな事を想像しても、罰は当たるまい。
あのふたりは、幸せになるべきだった。
イノベイターと、人間の、完全な理解。
愛。
あのふたりの間には、それがあったはずだ。
物語のため、奪われた命。
わかりきった結末を認めたくない、そんな悲しみが、まだ、僕の心を支配している。
アニュー・リターン。
その魂は、彼の元に戻ったのだろう。
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